仕事をテーマにしたプレゼンイベントGIRL’S MeeTALKから2015年夏に開催された回のレポートです。「スタートアップで働く女性に聞く、自分の軸をつくっているルール」をお題にWANTEDLYで働く大塚早葉さんのマイルールとそのルールが生まれた背景をご紹介します。
居心地のよい商社をやめて、畑違いのスタートアップに飛びこんだ
みなさんこんにちは、WANTEDLYでビジネスディベロップメントをやっております大塚です。今日はよろしくお願いします。
まずはじめに自己紹介を。1985年生まれの今年でミソジです(笑)。早稲田大学に入り、アメリカのワシントン大学に交換留学をして、卒業後に新卒で商社の丸紅に就職しました。そこで始めはITでもソフトではなくハードな、半導体関係のオタッキーな部品の海外営業をやっていました。商社にいた5年半位のうち1年半は台湾に駐在しました。中国語を学んで、現地の人と営業したり新しい事業の立ち上げをやっていました。
人生は1回? "ココロオドル"会社に出会って転職
そして帰国してから、「人生は1回だけどこれでいいのか?」と思ったときにWANTEDLYの社長と出会って会社にジョインしました。入社した2年前は、まだWANTEDLYを知らない方が多い時代だったので、お客さんにまず使ってもらうというドベドベの営業をやっていました。最近はリアルイベントを開いたり、東南アジアを中心に海外展開をしたりという仕事をしています。
少し会社について簡単に説明をさせてもらいたいと思います。みなさんの中で、WANTEDLYを聞いたことある、という方はいらっしゃいますか?
(会場挙手)
おぉっ、結構いらっしゃいますね、8〜9割方!ありがとうございます。私たちのミッションは、シゴトでココロオドル人を増やすというもので、ビジネス用SNSを運営しています。このプラットフォームでは、企業各社さんに「いまこういう人が欲しい」という求人情報を載せていただいていますが、それだけだったら普通のリクルート用ツールですね。私たちでは企業の方々に情報掲載に関してひとつお願いをしています。それは、絶対にお金については書かないでください、というルールです。普通はお給料とかはまず見る項目だとは思うですが、 お金については一切書かず、その代わりに「どういう思いでこの事業をしているのか」というビジョンの部分を重視して書いてもらっています。
ビジョンに共感して仕事を選ぶと、幸せなマッチングになる
そのビジョンを見て「この会社のに共感するな、このチームで働いたら面白そう」と思ってもらったら、まずは会社に遊びにいってもらって、お互いにいいな思ったらマッチングしてもらうというサービスです。
では、どういう企業が使っているかといいますと、ビジョン重視なので熱いビジョンを持つスタートアップ企業から最初の頃は使われ始めまして、最近では「ビジョン重視で働くとどんな会社も長続きしたり、みなさん幸せに働けるよね」ということが浸透し、今では日本交通さんやサントリーさん、少し意外なところでいうと宮崎県の日南市役所でも職員さんの募集に使っていただいたりとか、いまだいたい1万社に使っていただいています。(2016年現在は1万5千社)
ロールモデルが少ない環境でどうやって軸をつくる?
では、本題に参ります。今回なんですが「自分の軸をつくるルール」というお題で話をしてほしいと言われて、まず「なんで自分の軸がブレるんだろう?」と考えました。そして実際に私も過去にだいぶブレていたなと思いました。原因は何かな〜と考えてみると、3つのことに気づきました。
「 なぜブレる?原因3つ 」
1 健康なマインドで考えられない?
2 ロールモデルがいない?
3 自分に甘えるという大きな誘惑
意思にたよらず、習慣にくみこむ
まず1つめの原因、「健康なマインドで考えられていない?」
みなさん、スタートアップの環境はヘルシーじゃない印象があったりしますか? レッドブルを飲んで、遅くまで働いたりとか。まぁ一部にそういう会社もあるかもしれません…。健康なマインドを持つために運動が効果的なのはだれもが知っていますよね。けどできないひとも多いのではないかなと思いました。はい、実際私もできていませんでした。不健康だった時がありました。働きすぎというより、ストレスがたまってお酒を飲みすぎてしまって、「あぁなんかもう、私ダメだなぁ……」みたいな、ネガティブになってしまって(笑)。ストレス発散のつもりが悪循環になっていました。
で、ルールにしたのは、運動する習慣をつくること。
こちらの写真は月曜日の私です。月曜は7時45分から会社で朝ヨガをやっています。木曜は夜にキックボクシングを習いに行っています。こうやって運動するのを習慣にしていて週に3回、もし忙しいときには週に1回だけでもどろっどろになるくらい汗をかくというのを決めています。運動すると頭がスッキリして意見や思考もポジティブになって、そして副産物として4kg痩せました♪
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◎週に3回、少なくても1回は運動して汗をかく!
相談できる「メンター」がいないなら…
そして2つめ、「参考になるロールモデルがいない?」
ある特定の業界を除いては、やはりビジネス界は男性が多いですよね。この写真はGoogleからフリー画像検索したものですが、ゴレンジャーです。しかしなぜ5人のなかで女性は1人しかいないんでしょうか…。そもそもの同性の数が少ないので組織の中で、こういうひとになりたい!というモデルを探すのは難しいかもしれません。
ぴったりのひと、いないなら探しにいこう!
でもそこで決めました。会社内にいなくても、外にいけばいるじゃないか!と思って、ちょっとめんどくさいけれど、多くのひとに会いにいこう、「尊敬するひとを探しにいこう」というのをルール化して、外に外にでるようにしました。色々なひとに会って、愛すべき社外メンターを持てるようになりました。
そしてこちらの写真に写っている人はそのメンターで、会社名でいうと左からクックパッド、ビズリーチ、こちらは(人材系会社なので)業態が近いですね…(笑)。そしてメタップス、私、と会社は違うけれどもいろいろなことを相談できます。
こういった社外メンターを持つことによって、例えばひとつの会社のひとつの意見を「これは絶対なんだ!」と思って偏った意見を持ちつづけていたり、また問題があった時に自分の中に抱え込みがちだったのが、良い意見を聞けることでより広いスタンダードを知った上で判断をしようとするようになりました。
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◎社外メンターを持ち続ける努力をする!
居心地のよい場所からでると何かが起こる
ブレる原因 = 自分に甘えるという大きな誘惑
みなさん、居心地のいい環境ってずっとそこに居たくなってしまいますよね。ただ、そこから出て行くことで、いまと違う自分になれたり、なにかマジックが起こるんではないかなと思っています。そこで決めたルールというのが「月に一回だけでいい。気持ち良いゾーンから抜けてみる」というのをルール化しています。
例えば、これは先月の私の気持ち良いゾーンから抜けてみた例です。WANTEDLYの事業は最初は国内で始まったんですが今は海外にも展開しています。そこで、海外戦略をやるなら現場でやらないと進まないよね、と思ってメンバーのLisaと先月2人でシンガポールに行ってスタートアップイベントに出展したり、私は英語もネイティヴスピーカーではないんですが現地の人と交渉したりして(サービスの)海外のファンを増やしていきました。
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◎月に1回は、気持ち良いゾーンから抜けてチャレンジする
今のこの環境も…ルール2+3の足しあわせ
いまここで働いている私のこの環境も、ルール2の「社外メンターを持つ」と3の「気持ちいゾーンから抜けてみる」の足し合わせなのではないかな?と思います。
私が一つ前に働いていた会社は、スタッフ3000人を超える大きい会社でお給料もいいし人もいいし、居心地のいい環境でした。一生ここで働くのも全然嫌じゃなく働けるな〜と思いました。ただ、『それって本当に楽しいのかな?人生は一回しかないのにこれでいいのか?』と考えたときに、さっきのような社外のメンターの意見だったり、気持ちいいゾーンから抜けてみようというチャレンジがあって、いまのチームメンバーに出会えたのかなと思います。
みなさんもそういったことを考えて、もし違うと思ったら、気持ちいゾーンから抜けて挑戦してみてください。
My RULE まとめ
- 1
- 週に3回、少なくても1回は運動して汗をかく!
- 2
- 尊敬できるメンターを持つための努力を続ける!
- 3
- 月に1回は、気持ち良いゾーンから抜けてチャレンジする
〜会場Q&A〜
質問者:
違う業界や職にうつって仕事もゼロスタートになるのに、どうやってここが自分にあってると決めたんですか?
大塚さん:
商社での海外営業からスタートアップの立ち上げ期に参画というのは、たしかに全然違う畑にきましたね。
海外駐在から日本に戻ったとき、この会社にずっといるべきなのかと考えていて、最初は転職エージェントに登録していました。そして同じような大きい規模の企業からもオファーをもらいました。でも、私は全然ワクワクしなかったんです。そこから2週間くらいたってグダグダしていてエージェントの方にも迷惑をかけて申し訳ないと思うんですが、そんな中、偶然友達のつながりで深夜の12時にWANTEDLYというスタートアップの最初のボロボロのオフィスにいったら、社長とエンジニアの方が暗闇で飲んでいて、なんだこれは!?と衝撃をうけて。
その日は社長とかと深夜の3時すぎまで仕事や会社について、色々なことをお話をしていて、もちろん翌朝は普通に会社があるので朝7時には起きたんですが、全然眠くなくて、、「あれ!私トキメいてる」と感じました。これは多分5年に一度のトキメキかなと思って信じようと思って決めました。私にとっては誰と働きたいのかが重要でした。働く時間は人生の中て大きく占めているので、お金のためだけに働くのではななく、ワクワクしながら働ける場所を探しました。
だからもし、いま「ココロ、オドってない」と思っている方は一度外にでて、色々な人に会ったり、なにかチャレンジしてみたらいいかなと思います。